Accuphase T-1100

 

 

 

Accuphase DDS FM STEREO TUNER T-1100 です。

 

これまで主として使ってきたFPGA Digital FM Tunerの音質はとても素晴らしいので、ずっと使い続けるつもりでした。しかし、残念なことに地元のフレッツ・テレビから出力される信号は、TOKYO FMではアナウンスのサ行がザザッと濁り、日常はきれいな音質であるNHK-FM 横浜でも、まれにピアノの音が僅かではありますが歪むことがありました。明らかなマルチパス現象です。

そんなことから、マルチパス・リダクション機能を備えた本機を思い切って購入しました。

 

やはり、その効果は抜群。40年間挑み続けたあの憎き「マルチパス」との戦いについに終止符を打つことができました。マルチパスよ！さようならぁ。

「フレッツ・テレビ ＋ T-1100」の組み合わせは、頗る健全なエアチェック生活を保障してくれます。その日の電波の状況をもう心配しなくてよい環境になったのですから。本機はFMチューナとしてはべらぼうな価格ではありますが、精神的なことを勘案すれば決して高くない高くない！

この機器から出力されるやわらかでピュアな音質は最高レベルのものであり、そこには感動があります。

ニュース番組の男性アナウンサーの声は静寂の中から落ち着いた中低音で表現され、それは心をそっと和ませてくれます。

 

これを聴いてしまうと、BS・地上波のデジタル放送や今日のMUSIC BIRD(SPACE DiVA 最大で320kbps 2017.3より)等の圧縮音源の音質がとても貧弱に感じられてしまいます。

音響技術は日進月歩であるのに、非可逆性圧縮音源の跋扈により時代の進展とともに音質は退化しているというのが残念ながら今日の放送の世界です。昔日のアナログBSのBモードや旧MUSIC BIRDといった非圧縮であるPCM 48KHz音源には放送では接することが能わなくなってしまいました。

感動のクラシック・ライブ音源は未だNHK-FMのみにあると言っては言い過ぎでしょうか。

※ 東京スカイツリー

地元のフレッツ・テレビから出力されるNHK-FM放送は横浜放送局によるものです。東京放送局のFM周波数に切り替えると、電波上の音声は消されております。

横浜放送局は、時おり定例の音楽ライブ番組の放送を中止して、ベイスターズの野球中継を行ったり、クラシックの生中継番組を分断して、この地方放送局独自の番組を割り込ませるなど、おおよそ普通では理解できない行動をすることがあります。

それに嫌気して、東京放送局の電波を受信すべく試しに5素子のアンテナを拙宅に設置したところ、なんと35km離れたこの地でもメーターが振り切れるレベルの電波が届くことが判りました。しかもマルチパスはありません。

恐るべし。550mの高さから電波を発信する東京スカイツリーはやはり偉大でした。

東京タワーの約300ｍの高さから発信されるTOKYO FM放送は、設置したアンテナが東京スカイツリーを向いていることもあり、T-1100のマルチパス・メータはややぐらりぐらりしています。